前の話 目次




 そして、それはショーツ一枚になってのことだ。
 残り一枚のみとなったアイドルから順番に、プールでの映像は公開され、本人に対しても見せつける。スタジオでの撮影は、そんな番組構成となっていた。
 四人の中でも、最初にショーツ一枚となった福丸小糸は、自分自身の乳房をモニター越しに目の当たりにする。

「や……!」

 と、赤らんでいた。
 スタジオには大型モニターが設置されている。出演者の背後にはでかでかと、映画のスクリーンよりは小さい程度のものが設置され、そこに必要な映像は随時流れる。
 クイズの時にはクイズの内容が、罰ゲームと称してプールでの映像を流す今、水着ブラジャーを取られた瞬間の、初めて乳房を出した小糸の姿が流れている。
 大型モニターの映像は、出演者にとって背後のものだ。客席や視聴者に対してのものであり、小糸が目を向けているモニターは、それとはまた別にある。
 目の前には一般的なテレビサイズのモニターが設置され、そこに小糸は目を向けていた。
 当然、カメラマンも控えている。
 自分自身の映像を見ての、張本人の反応を撮ろう撮ろうと、肩に大型カメラを担いだスタッフが物静かに膝を突いている。
 その前で小糸は、画面に映る自分の胸から、ブラジャーが消え去る場面に小さな悲鳴を上げたわけだった。
 流れる映像はそれだけではない。
 その後の、マイクロビキニで気をつけをしたシーン、プールサイドへ上がる瞬間の、後ろに突き出された尻。更衣室に向かって駆け、滑稽に慌てふためく姿。
 屈辱を煽る映像の数々には、しかもガヤによる笑い声まで入るので、小糸が抱く恥辱はより一層のものだった。

「では映像をご覧頂いたところで、ショーツを脱いで頂きましょう!」

 というのが、番組の流れである。
 更衣室に駆け込んでからの四人は、全裸のままスタッフ達に包囲され、気をつけの姿勢を強要された。全裸で胸からアソコまで、じっくりと舐め回すように撮られた映像を流すと同時に、スタジオの中でも改めて全裸になる。
 モニターには小糸の裸体が映し出されていた。
 控え目な胸の膨らみも、ぴったりと閉じ合わさったワレメも公開されて、そんな自分自身の裸を見ながら、小糸はショーツを下ろしていく。
 そして、全裸は二重に公開されるのだ。
 更衣室での全裸に並び、スタジオでも全裸になった小糸の、二重の気をつけの映像が撮影され、それはテレビでも放送されることとなる。

「では市川雛菜さん! ショーツを脱いじゃいましょう!」

 番組内のゲームで脱衣が進み、そのアイドルが下着一枚になるたびに、プール映像公開とう名の儀式は執行される。
 やはり乳房があらわになる瞬間から、プールサイドでの尻に加え、両手で恥部を隠したままの状態で、みっともないフォームで走る姿を流して、面白おかしく屈辱を煽るのだ。
 しかも、尻はやや入念だ。
 水面から身体を出していき、尻が出て来る際の、体表から水が流れ落ちていく場面は大きく拡大されている。モニターが丸ごと尻で埋めながら、その尻たぶの下弦からポタポタと水滴が落ちていき、太ももの表面にも滴が伝う映像をじっくり流し、その次には滑稽な走り姿というわけだ。
 そして雛菜はショーツを脱ぐ。
 モニターの中、唇をぐにゃっと歪め、真っ赤に染まり変わっている自分自身の姿を見ながら、だんだんとショーツを下げ、足首にまで到達させる。
 最後まで脱ぎきった時、それは司会者に手渡す流れと決められていた。

「では浅倉透さん!」

 透の順番がやって着た。
 このスタジオ撮影において、アイドルが全裸になることは確定事項だ。特にクイズでは、専門学生や博士でなければ答えようのない、理不尽な問題も用意してあり、いつでも好きに不正解にさせられるシステムが組まれている。
 透はそれにやられ、ブラジャーを外し、そしてショーツ一枚になるや否や、プール映像の放映は始まった。
「いやぁ、笑えますねぇ!」
 しかも更衣室まで走った際の、両手で恥部を隠したまま、腰をくの字にして駆け抜けた時の透のことを、その映ったモニターを指しながら、司会者はわざとらしく大笑いをしてくるのだ。
「おっと! 全裸! 全裸が出ました!」
 そして、モニターに乳房やワレメが惜しみなく映し出される瞬間が、そのままショーツを脱げという合図である。
 透はショーツを下げていく。
 モニターに映った赤面から、自分はこんなにも歪んだ顔で、面白いほどに染まり上がっていたのかと、見せつけられた真実に打ちのめされるような心境を半ば胸に、脱いだショーツを司会者へと手渡した。

「最後に樋口円香さん!」

 円香はきつく歯を食い縛り、その力のあまりに顎をぷるぷると震わせていた。拳さえ固くしながら、自分自身のみっともない走り姿を見届けていた。
 腰をくの字に、恥部を隠して走る後ろ姿は、尻を追いかける風に撮られていた。そのパタパタとした足取りは、一体どれだけ慌てふためいていたのかがよくわかり、そこにガヤの笑い声まで入るから、プライドをナイフで抉らんばかりだ。
 その最後に映る直立不動の全裸において、モニターの中の円香は憤然としていた。
 耳まで真っ赤にしながら、目の前のカメラを睨みがちに、下ろした両手の先では拳を微妙に振るわせている。桃色の乳首は晒されて、薄らとした毛の具合まで拡大されて、その上で円香はショーツを脱がされる。
 ただ脱ぐより屈辱だった。
 こんな風に、自分自身の恥ずかしい映像を見せられながら、その上で改めて全裸を晒すのは、四人の誰にとっても本来以上に屈辱的で、表情の大いに歪むものだった。

 四人全員が全裸となった。

 その時、モニターには縦に分割した映像で、更衣室での直立不動を同時に映す。そんな大型モニターの下、同じく全裸の直立不動が並ぶのだった。
 小糸の全裸の下には小糸本人、雛菜の下には雛菜本人。
 映像と生裸がそれぞれ並ぶ場面を最後に、放映時にはこのようなテロップと案内が流れることになる。


『視聴者プレゼントのお知らせ』

 番組の感想を送って下さった視聴者様から抽選で、出演アイドルのショーツをそれぞれ一名様にプレゼント致します。ご希望のアイドルの名前を添えてご応募下さい。


 かくして、四人にはまだ責め苦が残されている。
 見ず知らずの誰かに自分の下着が送られる他、キャンペーンと称して番組の感想が殺到する。どのシーンがどんな風にエロかった、どこにどんな風に興奮した、といった脱衣や裸体にまつわる感想が具体的に書かれた上、それがおぞましい量で殺到するのだ。
 それはまた、いずれかの機会で活用され、四人を辱めることになるかもしれない。
 ともかく、今はただただ、全裸で見世物として並べられた屈辱ばかりを味わっているのであった。



 
 
 

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